口腔内スキャナー、どれを選ぶ?──実際に使ってわかった「御三家」の個性

こんにちは。院長の清原です。
歯科用の口腔内スキャナー
(IOS:Intraoral Optical Scanner)は、
歯科医療のデジタル化を象徴する存在です。
粘土のような印象材を使わず、
光学カメラで歯や歯列をスキャンすることで、
精密な3Dデータを取得できるこの技術は、
補綴や矯正、インプラントなど
幅広い分野で活躍しています。

ただし、一口に「IOS」と言っても種類はさまざま。
どの歯科医院も、導入時には
頭を悩ませるのではないでしょうか。
かく言う私も、実際に複数の機種を触ってみて、
ようやく納得のいく選択ができました。

ここでは、私の個人的な見解として、
現在のIOSの「御三家」と呼ばれる
代表的な3機種を紹介しつつ、
それぞれの特徴を患者さんにもわかりやすく
解説してみたいと思います。

 

 

① iTero(アイテロ)
──矯正だけじゃない、補綴もできる
万能型「インビザライン専用スキャナー」
として知られるiTeroですが、
実はアメリカでは
補綴メインで使用する歯科医も多く、
補綴にも十分対応できる機種です。

当院でも導入している最新モデル
「iTero Lumina」は、
カメラ性能が大幅に向上し、
スキャン精度・スピードともに優れています。
さらに、近赤外線による虫歯検知機能や、
治療前後の比較ができるタイムラプス機能など、
患者さんとのコミュニケーションにも役立つ機能が満載です。

ただし、高性能ゆえに価格は高め。
導入には慎重な検討が必要ですが、
矯正と補綴の両方を高いレベルで
こなしたい医院には非常におすすめです。

 

 

② Primescan(プライムスキャン)
──補綴の精度ならこれ!
補綴治療に特化したスキャナーとして、
Primescanは群を抜く精度を誇ります。

他社とは異なる特許技術によるスキャン方式で、
歯の細部まで鮮明に読み取ることができ、
クラウンやインレーなどの
補綴物がぴったり合う仕上がりになります。
スキャンスピードも非常に速く、
患者さんの負担も少ないのが特徴です。
さらに、CERECシステムと連動させることで、
院内で補綴物を即日製作することも可能。
(残念ながら当院には院内技工士がいないため
即日治療はできません)

補綴治療を中心に診療を行う医院には、
まさに理想的な選択肢です。
当院でも、補綴治療には
このPrimescanを使用しています。

 

 

③ TRIOS(トリオス)
──バランス型で扱いやすさ抜群TRIOSは、
スキャン精度・スピード・操作性の
バランスが非常に良い機種です。

スキャナーヘッドが小さく、
コードレスで軽量なため、
患者さんの口腔内での取り回しがしやすく、
スタッフにも人気があります。
「まずはIOSを導入してみたい」という医院には
ぴったりの選択肢です。

ちなみにトリオス、プライムスキャン共に
インビザライン矯正はできませんが、
後発のマウスピース矯正には対応してきています。

 

 

今回IOSの代表的な3機種を紹介しましたが、
最近は廉価版も数多く販売されてきだしており、
まさに群雄割拠の時代に突入しています。
正直情報量が多すぎて大変です。

当院では元々インビザライン矯正をするために
アイテロを所有しており、
2台目を購入するときに
悩みに悩んでプライムスキャンに決定しました。
補綴にはPrimescan、
矯正と補綴の両方にはiTero Luminaと、
目的に応じて使い分けています。

廉価版をあえて選ばないのは、
やはり安心安全な治療に
こだわりたいというポリシーからです。
患者さんにとっては
見えにくい部分かもしれませんが、
IOSは、「型取りの快適さ」を
大きく向上させるだけでなく、
治療の精度や患者さんとの
信頼関係にも貢献するツールです。

こうした機器選びには
医院のこだわりと想いが詰まっています。
もし「型取りが苦手」
「矯正に興味がある」という方は、
ぜひお気軽にご相談ください。

最適な機器と技術で、
快適な治療を提供いたします!

 

 

 

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